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わたしの放課後
第6章 天使と悪魔
 快感が高まってきて意識が薄れていくような感覚のときに何かを叫んでいるらしいことは自分でも感じてはいたけど『いつもみたいに』になんて言われると恥ずかしい。やっぱりおじさんは冷静にわたしを観察…いや、見守ってくれているようだ。やっぱり恥ずかしくはあるけど…。

 「いいんじゃないかな、そういうときもあって。おじさん、安心した。自分勝手なことを言うようだけど、アクメを経験した恵子ちゃんがどういうふうになるのか、ちょっと気になってはいたんだ。ごめんね。でもよかった」
 「よかった…んですか?」
 「よかった。アクメを覚えたての頃って心身…こころとからだがアンバランスになりがちだからね。からだの快感だけに支配されたら、堕ちるところまで堕ちてしまいかねないし」
 「わたし…今日、ちょっと思っちゃいました。学校行かないでここに真っ直ぐ来ちゃおうかな…って」
 「恵子ちゃんとこんな関係になっておいてこんなことを言うのは本当に自分勝手なんだけど、もし、そうなったら悲しいな」
 「よかったです。わたしもおじさんはそんなふうに思うんじゃないかな…って」

 とりあえず学校をサボらなくてよかったと思った。でも、あのとき電車が止まったりしていなかったらどうなったかわからない…。

 「いい子だね、恵子ちゃん。ちゃんと理性を持っていて。理性って忘れた方がいいときもあるけど、まったく喪ってしまってもかえって味気ないものだからね」
 「味気ない…」
 「そう。本能の赴くままに…というよりは、何かしら制約とかがある中でいろいろ工夫したり努力したりというほうが、面白いよね」

 学校という制約がなかったらわたしはここに入り浸ってしまうかもしれない。

 「あるいは二面性を持っていた方がより刺激的というか…」
 「『秘密』であった方がいい…ってことですよね?」
 『秘密』だけど、だからこそ誰かに話したい…と思うことはあるけど、やっぱり話してしまったらもう『秘密』ではなくなってしまう。

 《わたし…普通の女子高校生に見えていますか? でも、50歳も年上の男の人とセックスして『アクメ』してるんです…》

 わたしとおじさんだけの『秘密』は確かに刺激的かも。
 
 「そう。恵子ちゃんは『賢明』だから大丈夫だけど『賢明』じゃなかったら『秘密』は守り切れないからね」
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