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続・白昼夢
第3章 再会

私たちは急な坂道を下って行った。
そして、線路伝いに道を歩いてゆくと古川が待っていた工務店が見えてくる。
「あ!!ここなら分る、さっき待ってたところだよね?」
「そうよ、あの工務店でしょう?」
「うん…」
古川はちょっと目を輝かせながら私を見ていた。
工務店の横の細い道を私は入ってゆく。
「え?こっちだっけ?」
「そ、そうよ…」
私のアパートはその細い道の突き当りに建っていた。
階段を上ってゆく。
私は階段を上りながら古川にパーキングの事を聞いたのだ。
「パーキングって1時間いくらだったかしら?」
「え?見てないし、覚えてない…」
「そう…」
私は素っ気なくそう言ってしまう。
部屋の前に着くと私は鍵を出してドアを開けようとした。
その時に古川が不安そうにこう聞いてくるのだ。
「まさか、1時間で帰したりしないよね?」
その問いはとても不安そうで弱々しいものだった。
私はそれを聞いて思わず笑ってこう言ってしまう。
「まさか、そんな事はしないわよ…」

