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続・白昼夢
第12章 エピローグ

そう心の中で思っていた。
これで、本当に終わったのだと思った。
けれど、彼はエンヤの曲を聴いている。
エンヤを聴くときっと私のことを思い出すだろう。
そのエンヤの曲を今古川はどう言う気持ちで聴いているのだろうか。
もう、もしかしたらエンヤの曲は全部削除しているかも知れない。
音楽と記憶とは密接な繋がりがあると私は思っていた。
私も古川をブロックした後もエンヤは聴いている。
今日も私の部屋にはあの天使の様な歌声のエンヤの曲が流れている。
少しだけ古川の事を思い出す事があっても会いたいとは思わなかった。
古川とは関係なくエンヤは今でも好きなのだ。
私はその後、平穏な日々を送っている。
本当に日々平穏で静かだった。
古川へのメッセージのブロックはもうこの先、解除することはないだろう。
そして、古川が私の自宅に来ることもないだろう。
今は、古川の幸せを心から祈っている。
(おわり)

