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夜に咲く名前のない恋人達
第8章 「心配するな」
そうしてチェキ会が進み、ぷりんの列は数人が複数回来てくれたものの、30分ほどで途切れた。

「おい。チェキお願い」

チェキ券を持って現れたのは、響だった。

今は何も聞けない……

どうしよう……

女性スタッフが目の前にいて、ルカの話をできる状況ではない。

ぷりんはとりあえず、アイドルとして振る舞った。

「ありがとうございますっ! どんなポーズで撮る?」

「じゃあ……二人でハートを作るやつで」

「……えっ……?」

思わず、ぷりんは瞬きをした。

響さんって、そんなポーズを選ぶ人なんだ……

ちょっと意外……

そんなことを考えながら、ぷりんは響とハートを作るために、そっと左手を差し出した。

すると袖を捲った彼の手に、何か書いてある。

『終わったら昨日の公園へ来い』

あっ……

こうやって伝えるんだ……

スタッフに気付かれないように、文字が手に書かれていたのだ。
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