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雨が好き
第125章 この広い空の下
【この広い空の下】

遠くまで海を見渡せる場所に、そのお墓はあった。

『古谷家代々之墓』

古い墓石に刻まれた文字。
おじいちゃんやおばあちゃんも眠っているこの場所が、
母のお墓でもあった。

手桶に入った水を、柄杓で掬って、
ゆっくりと一回、
また、一回。

それから、水樹をお父さんに抱っこしてもらって、
蒼人と協力して、お墓をきれいに掃除した。
傍らでは水岬があちこち駆け回りながら、周囲のお墓を興味深そうに見ていた。

お父さんが束になったお線香に火をつけて、墓石の下に置く。
私が買ってきた仏花を供えた。

「おばあちゃん?」
水岬が聞いてきたので、私は「そうよ」と言った。

そう、ここには私を産んですぐに亡くなってしまった、私のお母さんが眠っている。

「こう?」
私がやっているのを見様見真似して、水岬がちょんと可愛らしい手を合わせた。
「うん、そうそう。おばあちゃんにご挨拶してね。」
「ごあいさつ?」
「心の中で・・・水岬は元気です・・・ってそう言って・・・」

そこまで言って、言葉が出てこなくなってしまった。
目に、涙が浮かんでくる。
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