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雨が好き
第123章 6年後・・・
「お土産、買ってくるからさ」
蒼人が椅子を降り、水岬を抱き上げていった。
急に視点が高くなったからか、少し彼女の表情が晴れた。

「早く帰ってきてね」
「ああ、約束する」
「絶対だよ?」
「分かった」

そう言って、もう一度、蒼人が水岬をぎゅっと抱きしめた。

「水岬・・・パパ、ご飯食べてるからさ。
 水岬も、お昼食べる?」

ひょいと椅子に座らされた水岬に尋ねると、
うん、と答えたので、私はまたキッチンへ。

水岬用の特製ランチを作るべく、冷蔵庫を開けた。

「恵美子おばさんも食べていって」
「はいはい・・・みなとちゃん、もうすっかり『みなと町』のマスターだね」

ふふふと恵美子おばさんが笑った。

そう。6年前のあの雨の日、神社でのプロポーズの後、
私たちは10月に結婚した。

その後、蒼人は仕事を続けながら樹木医の資格を取った。
そして、今では、地元で森林レンジャーの仕事をする傍ら、
樹木医として、依頼を受けて全国各地の樹木の治療や森林保護の活動をしている。

『ずっと、『みなと町』のコーヒーを飲みたかったから』

仕事を辞める時、そう彼は笑って言った。
あのままだと、全国転勤が避けられなかったので、今のこの道を選んでくれたのだ。
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