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雨が好き
第120章 雨の日の散歩
【雨の日の散歩】
テレビの中のアナウンサーが、梅雨入りを告げていた。
その言葉の通り、しっとりと水気を含んだ空気が、夏を待つ世界をひんやりと優しく包みこんでいた。
今日、私は蒼人さんと一緒。
私は青空の傘を、蒼人さんは少し大きめのブルーのビニール傘を。
ふたりで並んで、雨の中を歩いていた。
雨が傘に当たる音。
灰色に染まる町。
水溜りに広がる幾重もの水の波。
雨音が優しい。
一年前、私はこの道をひとりで歩いていた。
空を見上げると、遠くの山が雨で煙っている。
「雨降っちゃいましたね」
私は言う。
「そうですね・・・寒く、ないですか?」
彼が答えた。
私は小さく首を振る。
だって、私の左側・・・今、ほんのりと、あったかいもの。
「本当に、散歩でいいんですか?
美術館に行ったりとか・・・映画とか、カフェでもいいんですけど?」
今日、彼はお休みを取っていた。
だから朝から一緒。
お父さんに言って、私も『みなと町』をお休みさせてもらっている。
もう一度首を振った。
「いいの・・・これがいい」
テレビの中のアナウンサーが、梅雨入りを告げていた。
その言葉の通り、しっとりと水気を含んだ空気が、夏を待つ世界をひんやりと優しく包みこんでいた。
今日、私は蒼人さんと一緒。
私は青空の傘を、蒼人さんは少し大きめのブルーのビニール傘を。
ふたりで並んで、雨の中を歩いていた。
雨が傘に当たる音。
灰色に染まる町。
水溜りに広がる幾重もの水の波。
雨音が優しい。
一年前、私はこの道をひとりで歩いていた。
空を見上げると、遠くの山が雨で煙っている。
「雨降っちゃいましたね」
私は言う。
「そうですね・・・寒く、ないですか?」
彼が答えた。
私は小さく首を振る。
だって、私の左側・・・今、ほんのりと、あったかいもの。
「本当に、散歩でいいんですか?
美術館に行ったりとか・・・映画とか、カフェでもいいんですけど?」
今日、彼はお休みを取っていた。
だから朝から一緒。
お父さんに言って、私も『みなと町』をお休みさせてもらっている。
もう一度首を振った。
「いいの・・・これがいい」

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