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雨が好き
第107章 夜のはじまり
その時、ふわりと、彼が体を離す。
なんだかそれが、とても残念で、
本当はひとつだったものが、二つに分かれてしまったんじゃないかと思うほど、
何かが『欠けてしまった』感じがした。
こんな思いは、初めてだった。
その思いは言葉にはならず、指先に溢れてしまったみたいで、
私は蒼人さんのお洋服をぎゅっと掴んでいた。
「さ、先に・・・お風呂に、入り・・・ますか?」
その言葉で、やっと我に返る。
「あ・・・は、はい・・・」
蒼人さんがお風呂を入れてくれている間に、私は自分のバッグから、
洗面に必要なもの、お着替え、パジャマ、そして・・・耀さんから言われたものを・・・。
『女の子も用意したほうがいいから』
『やっぱり自分の身体のことだから』
と。
でも、そのあと、耀さんは続けた。
『なんの確証もないんですけど、
みなとさんが好きになった人だから・・・
多分、誰よりもみなとさんのことを大事にしてくれるって、
そう思うんですよね』
そんなふうに言ってくれた。
なんだかそれが、とても残念で、
本当はひとつだったものが、二つに分かれてしまったんじゃないかと思うほど、
何かが『欠けてしまった』感じがした。
こんな思いは、初めてだった。
その思いは言葉にはならず、指先に溢れてしまったみたいで、
私は蒼人さんのお洋服をぎゅっと掴んでいた。
「さ、先に・・・お風呂に、入り・・・ますか?」
その言葉で、やっと我に返る。
「あ・・・は、はい・・・」
蒼人さんがお風呂を入れてくれている間に、私は自分のバッグから、
洗面に必要なもの、お着替え、パジャマ、そして・・・耀さんから言われたものを・・・。
『女の子も用意したほうがいいから』
『やっぱり自分の身体のことだから』
と。
でも、そのあと、耀さんは続けた。
『なんの確証もないんですけど、
みなとさんが好きになった人だから・・・
多分、誰よりもみなとさんのことを大事にしてくれるって、
そう思うんですよね』
そんなふうに言ってくれた。

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