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雨が好き
第107章 夜のはじまり
【夜のはじまり】

食事が終わって、しばらくゆっくりとお話をして
8時を回った頃に、私達はお部屋に入った。

「わあ・・・」
入った瞬間、声が漏れた。

あまり旅行をしたことがない私でも、わかる。
多分、ここはすごくいいお部屋だ。

壁紙は白をベースに、青色の花が散らしてあるようなデザイン
カーペットも柔らかく、こちらはブラウンで波のような模様が入っている。

ライティングビューローというのだろうか?
よく、映画なんかで出てくる、棚のように見えるけれども、
蓋を引き出すと机になるようなアンティーク調の家具が置かれていた。
その隣にはゆったり4人は座れるようなL字型のソファとローテーブル。
壁掛けの薄型のテレビが見られるように配置されていた。

そして、右手には・・・
大きくて、まっしろなシーツのかかったダブルのベッドが設えてあった。

それを見て、少しだけ、ぎゅっと手を握る
胸が、トクンと跳ねる。

ここで、私、今夜、蒼人さんと一緒に・・・
そう思うと、顔の上半分が熱く火照ってくるのがわかった。

どうしよう、お顔、赤くなっていないかな・・・

「あ・・・えと・・・」
そんな私の様子を見て、蒼人さんもちょっと緊張してしまったみたいだった。
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