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雨が好き
第102章 車窓
「ううん・・・蒼人さんとの旅行・・・すごく、楽しみ・・・すぎて」
急に、こんな事を言いだしたからだろうか、蒼人さんは少し首を傾げるようにしたけれども、すぐに笑い返してくれた。

「僕もです。昨日なんて、眠れないかと思いました」
ま、結局寝たんですけどね。

そんな言葉で私はクスリと笑ってしまった。
何気ない、蒼人さんの小さな冗談
きっと、それも彼の優しさなんだと思うと、
私の心はまた、ほわんとあったかくなった。

電車がまた、トンネルをひとつ抜ける。
もうすぐ、目的地

私と、蒼人さんの、はじめての旅行が始まる。
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