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雨が好き
第89章 バレンタイン・キス

この日、私達がやろうとしていたのは、耀さんが雑貨屋さんで買ってきてくれた、可愛らしい箱とピンクと白の不織布、リボンを使ったチョコレートのラッピングだった。
でも、彼女の目下の一番の悩みは、水際さんにどうやってチョコレートを渡すか、ということみたいで、ラッピングをしている間の話題はそれが中心になっていた。
「お仕事場に押しかけたら悪いですよね・・・」
さすがにファッション・サークルの部長だけあって手先が器用。
トリュフを詰めた箱を手際よくラッピングしていく。
今は、リボンの形をキレイに整えているところだ。
私はというと、まだ不織布にうまくくるめないでいる。
なんで?
「水際さんは気にしないと思うけど・・・」
でも、お店まで行って、チョコレートだけ渡して帰る・・・っていうのも・・・
確かにな、とは思った。
こんな時、蒼人さんならどう言うだろう?
なんとなく、『僕なら、お礼にお食事にっていうかな』
そんなふうに言うような気がする。
なので、そのまま提案してみた。
「確かに!」
耀さんは弾かれたようにスマホを取り出すと『高槻先輩は・・・イタリアン?フレンチ?』『いや、ここはもう少しカジュアルで?』などと呟きながら検索をし始める。
でも、しばらくすると、ピタリと指が止まった。
でも、彼女の目下の一番の悩みは、水際さんにどうやってチョコレートを渡すか、ということみたいで、ラッピングをしている間の話題はそれが中心になっていた。
「お仕事場に押しかけたら悪いですよね・・・」
さすがにファッション・サークルの部長だけあって手先が器用。
トリュフを詰めた箱を手際よくラッピングしていく。
今は、リボンの形をキレイに整えているところだ。
私はというと、まだ不織布にうまくくるめないでいる。
なんで?
「水際さんは気にしないと思うけど・・・」
でも、お店まで行って、チョコレートだけ渡して帰る・・・っていうのも・・・
確かにな、とは思った。
こんな時、蒼人さんならどう言うだろう?
なんとなく、『僕なら、お礼にお食事にっていうかな』
そんなふうに言うような気がする。
なので、そのまま提案してみた。
「確かに!」
耀さんは弾かれたようにスマホを取り出すと『高槻先輩は・・・イタリアン?フレンチ?』『いや、ここはもう少しカジュアルで?』などと呟きながら検索をし始める。
でも、しばらくすると、ピタリと指が止まった。

