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雨が好き
第87章 バレンタイン・デー

耀さんはお洋服は作ったことがあるみたいだし、お料理はできるのだけど、お菓子は作ったことがない、のだそうだ。
「お願いします!一度でいいから、手作りのバレンタイン・・・やってみたかったんです」
耀さんは今、大学3年生。来年はもう4年生で、4年生の2月にはもうほとんど学生らしいことなんてできないのだという。だから、今回が『学生としての最後のバレンタイン』なのだそうだ。
その最後のバレンタインに、思い出を作りたい。
それが彼女の願いだった。
「う・・・うん、わかった」
つい、言ってしまった。
なんだか耀さんはすごく一生懸命で、
水際さんのためになにかしてあげたいと思っているみたいで、
それを見ていたら、応援してあげたくなってしまった。
私の返事にとてもとても、耀さんは喜んでいた。
でも、そんな彼女とは裏腹に、私は、ちょっと悩んでいた。
そう、そこには大きな問題がひとつあるのだ。
私も、お菓子、作ったことがない。
一回も、ないのである。
喜んでいる耀さんに、そんな事は、とても言えなかった。
「お願いします!一度でいいから、手作りのバレンタイン・・・やってみたかったんです」
耀さんは今、大学3年生。来年はもう4年生で、4年生の2月にはもうほとんど学生らしいことなんてできないのだという。だから、今回が『学生としての最後のバレンタイン』なのだそうだ。
その最後のバレンタインに、思い出を作りたい。
それが彼女の願いだった。
「う・・・うん、わかった」
つい、言ってしまった。
なんだか耀さんはすごく一生懸命で、
水際さんのためになにかしてあげたいと思っているみたいで、
それを見ていたら、応援してあげたくなってしまった。
私の返事にとてもとても、耀さんは喜んでいた。
でも、そんな彼女とは裏腹に、私は、ちょっと悩んでいた。
そう、そこには大きな問題がひとつあるのだ。
私も、お菓子、作ったことがない。
一回も、ないのである。
喜んでいる耀さんに、そんな事は、とても言えなかった。

