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雨が好き
第86章 あこがれ

「あこがれ・・・たんです。
真っ直ぐで、強い、高槻先輩に」
きっと、水際さんに、そんなつもりはなかったのだろうけど、
耀さんは水際さんの言葉に励まされたんだ。
それがあって、彼女は、本当の自分になれたんだ。
「私は、高槻先輩が好き。
でも・・・この好き、が、なんなのか、
わからないんです」
ぽつん、と、言った。
「男として、好き、なのか
あこがれの先輩として、好き、なのか
もしかしたら、女の子として女の子の高槻先輩を・・・」
だから、どうしていいか・・・
「変・・・ですよね?なんか、うまく言えないけど、変ですよね?」
変じゃないと思うけど、困っている、なんだかつらそうなのは分かる気がした。
でも・・・でも・・・
私は思い出してみた。
蒼人さんへの好き。
確かに、お父さんへの好き、水際さんへの好きとは違うけど、どう違う、と言われて、説明できる・・・かな?
「一緒にいたい?」
ふとそんな言葉が、頭をよぎった。
よぎったまま、それは口をついて出てしまう。
そう、私は一緒にいたい。
蒼人さんと一緒にいたい。
きれいなものを一緒に見たい。
美味しいものを一緒に食べたい。
同じところに行って、同じ星を見上げたい。
耀さんは、どうだろう・・・
ちょっとだけ間があって、流れ星が空を滑り出したとき、雪が囁くような声が、聞こえた。
「うん・・・いたいです・・・」
ぎゅっと、ココアの缶を握って、俯いた耀さんは、
まるで、祈りを捧げているみたい、そんなふうにも、見えた。
真っ直ぐで、強い、高槻先輩に」
きっと、水際さんに、そんなつもりはなかったのだろうけど、
耀さんは水際さんの言葉に励まされたんだ。
それがあって、彼女は、本当の自分になれたんだ。
「私は、高槻先輩が好き。
でも・・・この好き、が、なんなのか、
わからないんです」
ぽつん、と、言った。
「男として、好き、なのか
あこがれの先輩として、好き、なのか
もしかしたら、女の子として女の子の高槻先輩を・・・」
だから、どうしていいか・・・
「変・・・ですよね?なんか、うまく言えないけど、変ですよね?」
変じゃないと思うけど、困っている、なんだかつらそうなのは分かる気がした。
でも・・・でも・・・
私は思い出してみた。
蒼人さんへの好き。
確かに、お父さんへの好き、水際さんへの好きとは違うけど、どう違う、と言われて、説明できる・・・かな?
「一緒にいたい?」
ふとそんな言葉が、頭をよぎった。
よぎったまま、それは口をついて出てしまう。
そう、私は一緒にいたい。
蒼人さんと一緒にいたい。
きれいなものを一緒に見たい。
美味しいものを一緒に食べたい。
同じところに行って、同じ星を見上げたい。
耀さんは、どうだろう・・・
ちょっとだけ間があって、流れ星が空を滑り出したとき、雪が囁くような声が、聞こえた。
「うん・・・いたいです・・・」
ぎゅっと、ココアの缶を握って、俯いた耀さんは、
まるで、祈りを捧げているみたい、そんなふうにも、見えた。

