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雨が好き
第86章 あこがれ

「私、ずっと、身体に違和感があって。」
ぽつりぽつりと話し出す。
とてもきれいな顔をした、きれいな心の男の子が、冬の空から落ちる星の光みたいに、少しずつ、言葉を落とす。
「女の子を見るたびに、いいな、羨ましいなって。
それに反して、私の身体は・・・
低くなる声、固く、強くなっていく身体が嫌で嫌で・・・
スカート履きたかったし、
お化粧もしたかった。
髪も伸ばしたかったし、
可愛いアクセサリーも・・・。
でも、どれもできなくて。
周囲からも親からも変な子って思われるのが怖くて。
でも、大学生になって、ファッションサークルを見て
思いが抑えられなくなって。
女の子ばかりのサークルに入れてもらった。
その時の部長さんが・・・高槻先輩だったんです。」
ほうと息を吐く。ココアであったまった息は、白くふわんと夜に消えた。
「みんなが変な目で私を見たけど、
高槻先輩が、『ファッション好きなの?』って聞いてくれて、
頷いたら、みんなの方見て、
『仲間じゃん!』って。
それで、私は、サークルに入れてもらえて
それ以来、私のこと、変に言う人、ひとりもいなくて・・・」
空を仰ぐ。
きっと、いっぱい、いっぱい、何かを思い出している。
ぽつりぽつりと話し出す。
とてもきれいな顔をした、きれいな心の男の子が、冬の空から落ちる星の光みたいに、少しずつ、言葉を落とす。
「女の子を見るたびに、いいな、羨ましいなって。
それに反して、私の身体は・・・
低くなる声、固く、強くなっていく身体が嫌で嫌で・・・
スカート履きたかったし、
お化粧もしたかった。
髪も伸ばしたかったし、
可愛いアクセサリーも・・・。
でも、どれもできなくて。
周囲からも親からも変な子って思われるのが怖くて。
でも、大学生になって、ファッションサークルを見て
思いが抑えられなくなって。
女の子ばかりのサークルに入れてもらった。
その時の部長さんが・・・高槻先輩だったんです。」
ほうと息を吐く。ココアであったまった息は、白くふわんと夜に消えた。
「みんなが変な目で私を見たけど、
高槻先輩が、『ファッション好きなの?』って聞いてくれて、
頷いたら、みんなの方見て、
『仲間じゃん!』って。
それで、私は、サークルに入れてもらえて
それ以来、私のこと、変に言う人、ひとりもいなくて・・・」
空を仰ぐ。
きっと、いっぱい、いっぱい、何かを思い出している。

