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雨が好き
第83章 大学生
そう、あれは、ラテアートも目処が立ち、蒼月のレシピができた日から数えて3日後のことだった。

当初の水際さんのお話では、学園祭で直接カフェの店先に立って販売をするのはサークルの後輩さんたちで、私は、ちょっと手伝ってくれたり、カフェの運営に必要なものや、レシピの提供などをすればいいと言われていたのだ。
ラテアートのやり方、蒼月他、『みなと町』のドリンクレシピや作り方、お会計の仕方などをきちんと紙に書いて水際さんに渡した。
念の為と、それぞれのやり方について、水際さんにやって見せてあげることもしてあった。

やれやれ、これで全てが終った。
あとは、当日に準備の確認をするだけ・・・

そう思っていたのだけれど、水際さんが突然、とんでもないことを言い出した。

『みなとちゃんさえよかったらさ、後輩ちゃんたちに、直接、コーヒーの淹れ方とか指導してあげてほしいんだけど』
『ラテアートとか、少し練習するにしても、普通の人の家にはエスプレッソマシーンとかないし』
『みなとちゃん、すごく教えるのが上手だから、私が間に入るより、直接教えたほうがいいと思うんだよね』

え?と思った。思ったのだけれども、その時は、水際さんにやり方を教えたばかりで、なんとなくできそうな気がしてしまっていて、
それで、深く考えずに、「いいよ」と言ってしまった。
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