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天狐あやかし秘譚
第94章 神機妙算(しんきみょうさん)
全員が集まり、会議が始まると、早速、土御門が口火を切った。どうやら、今日の会議招集の目的はたったひとつらしい。

「今回は、ちと面倒な依頼があって、それについて、誰かにお願いしたいねん」
瀬良が補足をする。
「実は昨日、とある大物国会議員から宮内庁の高官を通じて、陰陽頭(おんみょうのかみ)に極秘の依頼があったのです。」
「その国会議員は名前もあかせんのやと」
明らかに面白くなさそうに土御門が言う。まあ、当然だろう。要は議員の個人的わがままを通せと言われている状態なわけだ。そういう権力をかさにきる行為は、土御門の大っ嫌いな行為のひとつだ。まあそうは言っても会議を止めることはできない。瀬良は土御門の発言を聞かなかったかのようにして先を続けた。
「その議員が目をかけている若手県議会議員がいらっしゃるようですが、その方が最近、呪詛被害にあっているということなのです。その呪詛について調査し、祓ってほしいというのが依頼内容です」
「正規のルートで申し込めばいいのになっ!」
吐き捨てるように言う土御門に対して、瀬良がまあまあとたしなめていた。
「議員という立場上、あまりことを大きくしたくない、というのが先方の言い分です。というわけで、極秘プロジェクトということになるので、基本的には丞以上の術者で対応するのが筋かと・・・」
ブスッとした顔をしていた土御門が、ため息まじりに付け加えた。
「おもんないが、こっちも今、人も予算も入り用や・・・。疱瘡神の封印結界や黄泉平坂の千引の大岩結界の保護、ただでさえ人手不足やのに、あちこちに重要防護対象が増えとる。今回、国会議員の依頼を受けてこなせば、宮内庁から追加予算をせしめやすくなる・・・って・・・あーやだやだ・・・こういうの!」
「土御門様!致し方ありませんよ?」
最後の方、本音が声にも言葉にもついでに表情にもだだ漏れな土御門を、瀬良が姉のようにたしなめる。

こういうのが嫌いなのは私も同じだ。

堂々と正攻法でやってくれば、こっちだって別に秘密を暴こうだなんて思ってないのに、こんな風にコソコソ手練手管を使われると、そうでもしないときちんと仕事をしないと思われているように感じ、なんだか馬鹿にされたような気すらしてくる。
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