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天狐あやかし秘譚
第94章 神機妙算(しんきみょうさん)
硬派な左前は黙して語らないが、やはり同じような気持ちのようで、土御門と同じくらい深い溝が眉間に刻まれていた。

大鹿島は、そのへんの人間の裏表の機微にうといからだろうか、澄ました顔をしているし、紀乃は何を考えているか全く表情からうかがい知ることはできない。

「んで、誰にやってもらうか、やがな・・・」

土御門が見回す。まあ当然誰も名乗りを上げる者などいない。
私も、議員の太鼓持ちなどお断りだ。スイッとさり気なく目をそらすが、その先に、幼女神の姿があった。特に彼女が何かアクションをしているわけではないが、私はその姿を見て、ピンひらめくものがあった。

そ、そうなのです・・・もしや、これなのですね!?

「はい!はい、はい、はい!!やります、やらせていただくのです!この土門杏里におまかせを!」

やおら声を張り上げた私の顔を一同が不思議そうに見た。当然だろう。『めんどうくさいことはイヤ!』が座右の銘の私が、こんなに積極的に・・・と思っているに違いない。

「お・・・おう・・・引き受けてくれるか、土門。おおきに」
「もちろんなのです!」

ふふふ・・・乙女の想いは太陽よりも熱く、海より深いのです・・・

「ところで、ひとつお願いがあるのです!」
「ん、なんや?」
「助手をつけてほしいのです。私は探知は得意なのですが、呪詛排除となるとやや専門外なのです。祭部から一人つけてほしいのです!」
「おう、そうか、なら大鹿島・・・」
「いや!大鹿島さんはそれこそ、疱瘡神封印や黄泉平坂封印の維持という大事なお仕事があるのです!そんな大鹿島さんの手を煩わせる必要はないのです。『属』クラスの術者を一人・・・」
「どうや?大鹿島?誰が出せそうなん?」
大鹿島が口もとに手をやり少し思案顔をする。
「そうですね・・・宝生前、九条・・・本庁付ではその二人は空いていたはずですね・・・」
「宝生前さんで!」
食い気味に私が主張すると、一瞬その勢いに土御門がのけぞるような姿勢になる。
「お、おう・・・宝生前やな・・・大鹿島、ええか?」
「はい。宝生前には私から伝えます。対応は明日からですか?」

そう尋ねられて、今日から!今夜からでも!と言わなかった自分の自制心は素晴らしいと思った。ぐっと我慢して私は『明日からで』と言った。
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