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unbalance
第39章 カレー
相馬は軽々と私を運び、ベッドの上に座らせる。
そのまま相馬も隣に座って――私を優しく抱き締める。
「ごめんな、今日、予定通り買い物できなくて」
「別に……」
言い出したのは相馬だし。
「次、買い物っつったらいつ行ける?」
「来週の土日、かなあ」
「例えばさ……金曜日だったら、定時……とは行かずとも、七時までに退勤したらホームセンターぐらい行けるからさ。買い物してそのままうち来て、ってのはどう?」
……どう、って。
それはとても……魅力的だけど、
「私、自信ないよ」
「七時じゃ早すぎ?」
「ん……」
金曜日って結局、週の最終日だから……木曜までにできるだけ仕事終わらせておいても、金曜日にトラブルがあると……あの、台風の日みたいに。また明日でいいや、と言えないのが金曜日だ。
「次の日休みだと思うと、いちばん残業できる曜日でもあるし」
「働きすぎ」
相馬が私を抱き締めたまま、くっくっと笑った。
「俺と遊んでくれる気、ない?」
「いやっ……」
そうだった。これからは。これからは――金曜日こそ早く帰って、土日相馬と遊べるように、
「こりゃあ意識改革からかぁ。道のりは遠いな」
「が、頑張るから……」

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