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第39章 カレー
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台所に立ち、食べ終わった食器を洗おうとする私を、相馬がとめた。
「そんな時間あるならさ」
斜め上から、相馬の声がかかる。
距離が、近い。
「もうちょっと、俺といない?」
「……何? 手伝ってくれるの?」
わかっていてはぐらかした。
「いや……いや、霧野が嫌ならいいんだけどさ」
相馬の手が、私の肩のラインをなぞる。
「皿なんてあとで俺が洗うからさ」
「カレーの食器洗うの、めんどいよ?」
「いいよ」
相馬の腕がいよいよ後ろから私を抱き締めて、彼が小さな声で、嫌? と聞いた。
「嫌じゃ――ない」
相馬が、私の足をひょいとすくい上げて持ち上げた。
「………っ、ちょっとっ! あぶな……っ」
「ちゃんとつかまって」

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