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unbalance
第30章 個室
「……どうせ、資料作る以外に取り得ないガリ勉タイプなんだろ、というか、
そうであってほしいというか」
相馬が迷いながら言葉を選ぶ。
「……どうせ、生真面目でお固くてつまんねー仕事人間なんだろうな、みたいな……」
相馬自身がかつて、私のことをそう評したのを私は知っている。
はずなのに、
「生真面目でお固い、つまんねー仕事人間だったでしょ」
「真面目で賢くてすげえ可愛い子がいた」
相馬の言葉は百八十度逆で、
「それからちょいちょい用事作ってはそっちの部屋行って観察して、見てれば見てるほどハマってって」
……ぜんぜん気づかなかった。よく来る人だなとは思ってたけど……。
「で、でも、喋ったりしたことなかったじゃん、どうしてそんな……」
別に自分が特別美人なつもりはない。
謙遜とかではなく、事実として。
「喋ってなくても、いい子なのはわかるよ」
相馬は即座に切り返した。

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