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The Bitch (ザ、ビッチ)
第8章 エピローグ  『わたしの好きに...』
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「ふぅん、待ってたのぉ、でも、なんでかなぁ?
 だってぇ、さっきすんなり帰ったわよねぇ」
 意地悪な、ビッチな、衝動は止まらない…
 いや、益々ビッチな衝動が次から次へど沸き起こってきていた。

 そして彼のこのキョドりの目の泳ぎ…
 焦燥感に揺れる声音…
 それに相反するスポーツマン的で逞しく立派な体格が…
 ビッチ心どころかエス的な衝動をも強く刺激してくる…
 いや、イジめっ子の昂ぶり。

 あ、ううん、違うかも…

 わたしはそんなキョドる彼の目を見て…
 あ、そう、違うわ……
 ある想いが脳裏に過り、少し心が騒ついてきた…………

 その想いとは…
 そう…
 あの和哉の、ううん、少しだけ違う…
 あの最初の頃にの和哉の目に浮かび、感じた想い…
 それは、子供の頃に飼っていたペット犬…
 そう『ビッケ』が、常にわたしを見てきていたあの『憧憬』の、あの目だわ。

 あの時の和哉の目から、ビッケという過去に飼っていた愛しいペット犬を連想され、感じた懐古の愛情の慈しみという想いからの…
 ペット…愛玩…そしてセフレ……への流れ。
 この彼、斑鳩くんの目を見て、瞬時にそんな想いが蘇ってきたのである。

『あ……あのビッケの目だ……』
 この時わたしは、和哉という愛しく未練たっぷりな存在感よりも『ビッケ』という過去に愛した愛犬を想起した。

 そしてこの『ビッケ』という存在感こそが、今、このわたしを未だに悩ませ、迷走させている…
 和哉への断ち切れない残情の欺瞞そのものである。
 
 ビッケだわ……
 心がザワザワと更に強く騒ついてきた。

 そしてビッチなエスの衝動も…

「なんでわたしを待って、ううん、待ち伏せしてたのかなぁ?」
 そんなオトコの、いや、オスの心理はとうに理解している…
 ただ、ただ、この斑鳩くんを、いいや、この『ビッケ』を…
 揶揄い、イジり、そして虐りたいだけなのだ。
 ううん、違う…
 昂ぶってきたビッチな欲情が、わたしのメスの本能を衝いてくるから。

「なんでかなぁ…」
 多分わたしは妖しく笑みを浮かべ…

「あ、い、いや、そ、それは………」
 そして彼は焦燥感と、このわたしの妖しい笑みの裏にある淫靡な衝動を無意識にも感じ…
 オスの昂ぶりを疼かせているはずである。

 わたしは一歩、二歩と、彼に歩み寄っていく…


 

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