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千一夜
第43章 第七夜 訪問者 ゴースト
「長谷川さん、私を口説いているんですか?」
「いや……それは違います。違いますから」
 冷汗が流れた。
「ですよね。長谷川さんにとって今はとても大切なときです。もちろん私は長谷川さんが見境なく女を口説くような男だとは思っていません。でも注意してください」
「はい」
「それと長谷川さん、嘘はもっとうまくついてください。マスコミは長谷川さんの中にある穴をさがしています。それも根掘り葉掘り探すんです」
「穴?」
「そう、穴。つまり隙です。そしてマスコミは小さな穴を大きな穴に変えていきます。あの人たちはそれが商売ですから、長谷川さんがどんなにいい人でもマスコミは遠慮しません。穴が大きくなるともう塞ぎようがありません。どうかこのことだけはわかってください」
「はい……、あの」
「何でしょうか?」
「私はいつあなたに嘘をつきましたか?」
 立花京子に似たこの女に私はどうしてもそれを訊ねたかった。私は嘘など言った覚えはない。
「わかりませんか?」
「はい」
 私には心当たりがない。
「長谷川さんが、学生時代に知り合ったという小学生の女の子のことです。そのお話、明らかにおかしいです。その女の子の成長過程を知っているなら理解できるお話です。でも二十年後、どこかで出会って、面影を感じるなんてあり得ません。仮にあるとしたなら、長谷川さんは、二十年後の女の子に会っていなければいけないんです。長谷川さん、その女の子とどこかで会いましたか?」
「……」
 答えることなんかできない。私は京子とセックスをした。それは私の初体験だったのだ。
「ふふふ、どこかで会ったんだ。でもそなことどうでもいいです。今は選挙で圧勝することだけを考えてください、いいですか?」
「はい」
「長谷川さん、あなたには道が一つしかありません。それは市長選で圧勝して市長になる道です」
「もしそれが達成できなかったら?」
 遠山は何かしらのペナルティを私と沢田絵里に与えるだろう。
「心配ですか?」
「あなたは?」
「遠山さんはこう思うでしょうね『無能な女だ』と。そして報酬以外のボーナスは支払われない。それだけです」
「……」
 私のペナルティは? と訊ねるのは止めた。
「長谷川さん、あなたにはもう退路はありません。体躯館館長でのんびり暮らそうなんて絶対に思ってはいけません。いいですね」
「はい」
 そう返事はしたが何かが変だ。
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