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礼節の交わり
第1章
たち振る舞いは、もの静かで、滑(なめ)らかだ。
その一連の所作は、淀みがなく、身体に染み込んでいるかのように見える。
背丈はさほど大きくはないが、どの姿勢もいつも背筋が伸びており、実際の背より高く見られる。
加えて、短髪で清潔そうな髪型は、水上を年齢より若く見せた。
水上はその正座のまま、小夜子を向き手を付き一礼をした。
小夜子はわずかにうなずくと、「どうぞ……こちらへ……」と自分の隣を手の平で示した。
水上が立ち上がり、すり足で小夜子に近づく。
畳が、さっ、さっ、さっと、音を立てた。
小夜子の隣に正座し、また手をついた。
「急に申し訳ございません……」
小夜子もすでに布団の上に正座をしていた。
「いえ、水上さん……お気になさらずに……何かお話をしてからでも……それともお酒をお飲みになります……?」
「いえ、小夜子さんも明日のことがあるでしょうから……出来ましたら、今すぐにでも……よろしいでしょうか……? 私もすぐに終わらせるよう心掛けますので……」
水上は伏し目がちに言った。
「そうですか……わたくしは構いません……水上さんのよい通りで……ただ明かりは点けず、このままでお願いしたいのですが……今日は月が明るくて……」
「ええ、このままで結構です……本当に今日は月が大きい……」
部屋の中は明かりを点けなくとも、月明かりで、お互いの表情が見えた。
りーん……。
りーん、りーん……。
束の間の静寂に、鈴虫の音だけが部屋の中に染み入る。
「では……どうぞ……」
小夜子は目をつむった。
「では……失礼いたします……」
水上は小夜子を引き寄せると、小夜子の唇に唇を押し当てた。
その一連の所作は、淀みがなく、身体に染み込んでいるかのように見える。
背丈はさほど大きくはないが、どの姿勢もいつも背筋が伸びており、実際の背より高く見られる。
加えて、短髪で清潔そうな髪型は、水上を年齢より若く見せた。
水上はその正座のまま、小夜子を向き手を付き一礼をした。
小夜子はわずかにうなずくと、「どうぞ……こちらへ……」と自分の隣を手の平で示した。
水上が立ち上がり、すり足で小夜子に近づく。
畳が、さっ、さっ、さっと、音を立てた。
小夜子の隣に正座し、また手をついた。
「急に申し訳ございません……」
小夜子もすでに布団の上に正座をしていた。
「いえ、水上さん……お気になさらずに……何かお話をしてからでも……それともお酒をお飲みになります……?」
「いえ、小夜子さんも明日のことがあるでしょうから……出来ましたら、今すぐにでも……よろしいでしょうか……? 私もすぐに終わらせるよう心掛けますので……」
水上は伏し目がちに言った。
「そうですか……わたくしは構いません……水上さんのよい通りで……ただ明かりは点けず、このままでお願いしたいのですが……今日は月が明るくて……」
「ええ、このままで結構です……本当に今日は月が大きい……」
部屋の中は明かりを点けなくとも、月明かりで、お互いの表情が見えた。
りーん……。
りーん、りーん……。
束の間の静寂に、鈴虫の音だけが部屋の中に染み入る。
「では……どうぞ……」
小夜子は目をつむった。
「では……失礼いたします……」
水上は小夜子を引き寄せると、小夜子の唇に唇を押し当てた。

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