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濡れた砂漠の村
第1章 その村への旅
カチンと音がして、バスの照明が煌々とつけられる。私は深い穴の底から這い上がるように、目を覚ましてゆく。快楽のゼリーの中に溺れていたような、そこから乾いた世界へ出ていかなければならないような、残念な気持ちになる。なぜか腰が心地よく疲れて、ヴァギナが湿り気を持っていることに気づく。少し腫れている。少し擦れた感覚がヒリヒリとし、動くと快感がある。一瞬自分がどこにいて何をしているのか、わからなくなる。

バスの乗客たちは慣れた手つきでなにやらゴソゴソと、書類をそろえはじめる。カップルの彼女がこちらをむく。

「国境の検査なのよ。あなたも必要書類を揃える必要があるわ。」

パスポートを頼りなさげににぎりしめる。運転席とを遮るカーテンが開くと、軍隊らしき人間が銃を抱えて中へ入ってきた。一人一人の書類を確認し、何か質問もしているようだ。私は黙ってパスポートを渡す。

「最終目的地はどこだ?」

鋭い目つきが帽子の下から覗く。私が目的地を告げると、メモを取っている。そしてそれを私に差し出す。

<その村は私の故郷だ。来週から休暇で帰る。文化的違いに戸惑うだろう。困ったことがあればいつでも連絡してくれ xxx-xxx-xxxxx-xx>

何事もなかったかのように検査を終えて、バスは出入国の施設へと飲み込まれてゆく。

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