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濡れた砂漠の村
第1章 その村への旅
日が沈みはじめる。私は夕陽を見ようと展望台へ登り、食堂から持ってきた黄色い、カルダモンと蜂蜜の味のするソーダを飲んで待つことにする。展望台は私1人のものだ。友人達はハッピーアワーだと言って、先ほど開いたバーへと急いで行った。しばらくすると階段から足音が聞こえる。あの彼が登ってくるのが見えた。ドキンとする。

「あ、きてたんだね。」

静かに、優しく彼がいう。私は頷くと、隣にきなよと手で合図する。2人でしばし無言で、沈む日を見つめる。私は激しく打つ胸がバレないか心配になり、たわいのないことを言ったりする。そしてふとシャワーでのことを思い出して顔が熱くなり、呼吸が荒くなる。それを隠して、無口になる。彼は目の前を飛ぶ大きな鳥について説明をする。

「この地域では人が死ぬと、山の頂上に死体を置いて、鳥に食べてもらうんだ。地面の束縛から解かれて、自由になる。」

日が沈む。

友人達はバーカウンターにて、すでに上機嫌で盛り上がっている。他の客とも友達になり、ワイワイとやっている。食堂へきた私達2人を遠目で見つけると、さあディナーだ、というムードとなる。今夜のオススメは、山羊肉を谷でとれた辛いベリーでマリネにして焼いたもの、それと特産の根菜をソテーしたもの、そしてパンだ。隣の席の男と一瞬目があい、私は、また食べてみる、大丈夫、と囁くように答える。あまりにほてらないために、冷やす効果のある蒸留酒も頼む、と付け加える。

この辛いベリーは、ブルーベリーのような見た目だが、味はハバネロにこくと少しの甘みをだしたような感じだ。肉を柔らかくする効果もあるので、肉のマリネに使われることが多い。しかし出てきた皿の見かけは、血みどろの肉そのものだ。私は興味をそそられて一口。そしてその素晴らしさに舌鼓をうつ。パンはいつも通りとても香ばしく、肉のソースをつけて食べて美味だ。まだ火照りはない。時間差があるのだ。

反対側に座る緑の目の彼と、目があってしまう。その度に胸がドクンとなり、反射的に目を逸らしてしまい、後悔する。コソコソ怪しいじゃないか。もっと堂々とすべきだ、何もやましいことはない。運ばれてきた蒸留酒で消化を助ける。高度のアルコールだ。少し落ち着きを取り戻し、気分が良くなってくる。パーティーは1時間後に始まるらしい。私と彼女は準備へと向かう。

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