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濡れた砂漠の村
第1章 その村への旅
私はサラサラとした木綿生地の動きやすいシャツと、短パンをまとう。食堂へ着くと、そこには見慣れない人物が1人、グループに追加されている。あの車の人物か、と理解する。

「こいつも今、来たとこなんだ、偶然にも、隣の部屋なんだぜ!」

さっぱりと洗い上げた髪は柔らかくうねり、濃く太い眉毛の下には、フサフサとしたまつ毛の中につぶらな瞳が隠れている。深緑に栗色が混ざったその目に吸い込まれそうだ。つんと前に出た上品な鼻と、はにかんだような微笑みを浮かべた唇。その美しさにはっとするとともに、シャワーでの秘密を聞かれてしまった隣の宿泊者はこの人なんだ、と少し顔が熱くなる。

私は軽く頷き、向かいに座る。皆すでに昼ごはんを食べ始めたところだ。私は黒板に書かれたメニューから、今日のおすすめを頼む。チキンローストと、この辺りでできるプロテインとミネラルが豊富な高山穀物のピラフ、そしてウリのようなものを中心としたスープだ。私達が到着してから数時間、この辺りのコミュニティには岩の滑落のニュースが広まり、色々な商売人たちが、食事の材料からお土産を持ってゾクゾクと集まっている。後ほど、音楽や手品のショーをするものも来て、地元の人たちもあつまるだろう、とのことだ。ちょっとしたフェスティバルの雰囲気だ。

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