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シャイニーストッキング
第1章  和哉
 30 夢の続き ⑤

 私は寂しかったのだ、だから、だからイク時に和哉の顔を浮かべてしまったんだ…

 それは久しぶりの逢瀬に心が舞い上がり、気持ちが昂ぶり、まだ興奮の余韻が続いているせいなんだ、と、心の中で必死に自分に言い訳をした。
 和哉の顔を浮かべた自分に苛立っていた。

 10代の頃じゃないのに、あんなひと回りも年下の子供に私は舞い上がっているのか…
 
 正直私は、悪戯心からとはいえあんなことをしてしまったことに後悔していた、気持ちも心も肉体的にも最高に高まったし快感も得た、しかし相手が悪かった、パート先で一緒に仕事をしているしかもひと回りも年下の高校二年生なのだ。
 私は32歳、彼は17歳、世間的にみれば完全に大人と子供である。
 それなのに和哉の事をこうして思い返して胸をざわつかせ、醒めない興奮の余韻に任せ心もカラダも疼かせて自らを二度も慰めてしまった自分に苛立ち、腹立たせてもいた。
 そしてまた明日から和哉に対してどう接すればよいのかを悩んでいた。
 後悔する気持ちがどんどん膨らんでくる。

 そうだっ、全て無かったことにしちゃおうか、今日のことには一切触れず仕事以外の会話はしない、どうせ今までだって殆どプライベートな会話をしたことも無かったんだから差し支えないはず…
 和哉はおとなしいし、自分から今日の出来事のことに触れてくるなんてはずがないと確信できた。
 
 無かったことにしちゃおう…できるか?
 私は今日の休憩室からの出来事の流れと交わした会話を必死に思い返しながら、殆ど眠れずに朝を迎えた。
 彼が好きな香りと言ったフレグランスの香りを変え、
 彼が好きだと言ったストッキングの色艶を今まで穿いたことのない色艶に変える。
 
 いつも私を見つめている和哉ならこの違いは分かるはず、そして変えたこの違いの意味も分かるはず…

 こうして私なりに考え、悩んで答えを出したはずなのだが、和哉は私の仕事中の様子の変化や態度の違いの意味に気付いた途端に、慌て、動揺し、落ち込み、そして絶望感まで漂わせ、私の母性本能を刺激してきたのだ。

 ああ、ダメだ、私は和哉が好きに…

 可愛くて堪らない…

 彼の絶望感の目にサディスティックな想いが刺激を受け再び心が震え、とても無視することなどできなくなってしまったのだ。

 新たな夢が始まりを告げようとしていた…
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