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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 234 男のプライド

 男は速いと恥ずかしいモノなんだ…

 そしてその時、わたしは初めてそんな男のプライドを知ったのだ。


 だがわたしの過去に…

 男が速くて、そして物足りなさを感じた記憶は殆ど無い、いや、無かった。

 なぜならそれは、わたしの過去のセックス遍歴が狂っていたからである…
 
 特に大学時代の二年生の後半からは、大麻等を乱用してラリり、いわゆる
『キメセックス』という正に狂った黒歴史そのモノであり、男のリード次第での情緒あるセックスなんて、いや、『キメセク』以外で快感が昂ぶるのを感じた事があるのは彼、大原本部長と付き合いを始めた以外に経験が無いのである。

 だから、あの時に、初めて…
『男は速いと恥ずかしがるモノなのだ』
 と、いう事を知ったのだった。

 だから…

 そう…

 今、正に、この目の前の杉山くんは…

 その最悪な境地に陥っている、いや、そうに違いないのだ…

「………」
 わたしは杉山くんを見る。

 だが、彼は、ずっと下を向いたまま、微動だにしない。

 そうか…

 そうよね…

 今の、この展開は、正にそれであり、いや、それ以上なのだ。

 なぜならば…

 ズボンの上から握られただけで射精してしまったのだから…

 速いというレベル以前の問題なのである…

 簡単にいえば、わたしとのキスの昂ぶりだけでイッてしまったといえるのだ…

 あり得ないレベルの、そう超特急といえる…


「…………」
 杉山くんは、まだ微動だにしない。

 いや、動けない、恥ずかしくて顔を上げられない…

 わたしの顔を見られない…

 そんな心境であるに違いないのだ。

 だが…

 わたしの心の中が…
 そんな杉山くんの様子を見て警告を発してきたのである。

 それは…

 この場の、この後のわたしの対応次第では、杉山くんの第二の、いや、立ち直れないようなトラウマを生むやもしれない…と。

 いや、わたしの対応次第で、これからの、今後の、彼の女性に対する生死に関わってくるのだ…とも。

 そしてそれは、決して大袈裟ではない…と。
 
 そうよね…

『シロウト童貞』つまりは、風俗嬢相手にしか経験が無かったのだから…





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