この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7 本部長大原浩一

45 イラついていた想い
「もお、こぼしてぇ」
と、呟きながらナプキンでテーブルを拭いてくる。
でも、あの頃は…
こんなお姉さん的な感じにイラついた時もあったのだ…
「すぐこぼすんだからぁ、なんか変わらないね」
と、笑いながらテーブルを拭く。
昔はこんな感じにイラついたのだが…
今は…
なぜか心地よい…のだ。
心地よくて、心が震える。
これが…
これが、歳を経るということなのか…
昔イラついた言葉、仕草を…
許せる…と、いうことが歳を取る、経る、ということなのだろうか。
「どしたの…」
そんなことを考えながら、テーブルを拭いているきよっぺを見ていたら、そう訊いてきた。
「あ、うん、いや…」
「え…、なによぉ」
「うん、いや、そのぉ…」
そう呟いて、ひと呼吸置き、そして…
「昔は…、いや、あの頃は、これがイラついていた…んだ」
まるで懺悔の様に呟いた。
すると彼女は大きな、クリッとした目を悪戯っ子の様に光らせる。
「うん、知ってる、知っていたわ…」
なんと、そう囁いてきたのだ。
えっ…
知っていたって…
私は、その彼女の意外な応えに少し驚いていた。
「もちろん、知っていたわよ…」
そして微笑みながら、また再びそう言ってくる。
「知ってたんだ…」
それは本当に意外な応えであった。
その無性にイラついていた当時の自分の想いも、また彼女に対しての心残りの後悔の一つでもあったから。
「うん…
自分でもさぁおせっかいだなぁって、あの頃はいつも、内心、そう思っていたわ…」
彼女はあの頃を思い返しているかの様に、遠い目をしてそう言ってきた。
「でもね、分かっていたんだけど…
止められなかったのよね…
だって…」
そう言ってその大きな目で見つめてくる。
そして私は、その目に吸い込まれそうになっていた。
昔から、その大きな、クリッとした目に魅かれていた…
その目は優しくて…
いつも曇りのない、きれいな、そして魅力的な光りを放ってきていたのだ…
あの頃は…
この目に…
魅了されて、魅かれ、惹かれていたのだ…
そしてこの目を見ると、嘘は、嘘が付けなかった…
「もお、こぼしてぇ」
と、呟きながらナプキンでテーブルを拭いてくる。
でも、あの頃は…
こんなお姉さん的な感じにイラついた時もあったのだ…
「すぐこぼすんだからぁ、なんか変わらないね」
と、笑いながらテーブルを拭く。
昔はこんな感じにイラついたのだが…
今は…
なぜか心地よい…のだ。
心地よくて、心が震える。
これが…
これが、歳を経るということなのか…
昔イラついた言葉、仕草を…
許せる…と、いうことが歳を取る、経る、ということなのだろうか。
「どしたの…」
そんなことを考えながら、テーブルを拭いているきよっぺを見ていたら、そう訊いてきた。
「あ、うん、いや…」
「え…、なによぉ」
「うん、いや、そのぉ…」
そう呟いて、ひと呼吸置き、そして…
「昔は…、いや、あの頃は、これがイラついていた…んだ」
まるで懺悔の様に呟いた。
すると彼女は大きな、クリッとした目を悪戯っ子の様に光らせる。
「うん、知ってる、知っていたわ…」
なんと、そう囁いてきたのだ。
えっ…
知っていたって…
私は、その彼女の意外な応えに少し驚いていた。
「もちろん、知っていたわよ…」
そして微笑みながら、また再びそう言ってくる。
「知ってたんだ…」
それは本当に意外な応えであった。
その無性にイラついていた当時の自分の想いも、また彼女に対しての心残りの後悔の一つでもあったから。
「うん…
自分でもさぁおせっかいだなぁって、あの頃はいつも、内心、そう思っていたわ…」
彼女はあの頃を思い返しているかの様に、遠い目をしてそう言ってきた。
「でもね、分かっていたんだけど…
止められなかったのよね…
だって…」
そう言ってその大きな目で見つめてくる。
そして私は、その目に吸い込まれそうになっていた。
昔から、その大きな、クリッとした目に魅かれていた…
その目は優しくて…
いつも曇りのない、きれいな、そして魅力的な光りを放ってきていたのだ…
あの頃は…
この目に…
魅了されて、魅かれ、惹かれていたのだ…
そしてこの目を見ると、嘘は、嘘が付けなかった…

