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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 44 精神的な差

 心の想い、気持ちがすっかりあの頃、中学時代に戻ってしまった。

 あの頃は本当に可愛くて大好きだった…

 だがその気持ちをどう表現するのかが良く分からなかった。
 それできよっぺ主導の、ほぼ彼女のリードのままの付き合いとなっていたのだ。
 だがそれは仕方がないことであった、ついこの前までは小学生であった訳で本当に子供であったし、そしてまだ本格的な思春期も迎えていなかったのだから…
 かたや彼女は中学三年生で思春期真っ只中、そしてカラダも心も大人の階段を昇り始めていたのだ。
 当時のこの差はいかんともしがたい差といえたのである。

 そして彼女は勉強も良く出来た、だからよく勉強や宿題、夏休みの自由研究とか教えてもらっていたし、また、アレも、つまりは性の衝動、処理も全て彼女の主導に任せっきりであったのだ。
 だからきよっぺは、彼女なのだが、姉貴的であり、母親的な側面も多々あった。

「ねぇ、ピザ食べようよ」
「うん」
「あの頃よくピザ食べたよね」
「うん」
 
 当時は…

 ピザ、スパゲティ、ピラフ、グラタン、ドリア等々の洋食ブームのはしりの時代であり、これらのメニュー全部はここが初めてであったのだ。

 そしてピザを注文し、お酒のお代わりを頼む。

「お酒はよく飲むの?」
「いや、嗜む程度だよ、酒量的には大して飲まないよ」
 そう答え、きよっぺは?…という問いを目でする。

「わたしは弱いのよ、だけどこんなお酒を飲む雰囲気が好きなのよ」

「うん、それはわかるかも…」
 確かに、そんな女性は多い。
 するとピザが来た。

「あら、昔と全然変わらないわぁ」
 と、彼女は感激の声を出す。

「このパン生地タイプのこのピザが好きなのよ」

「うん、あっ、熱っ…」
 ピザの熱さに慌ててしまう。

「あら、もお、コッペったらぁ、慌てないの」
 そう言いながらおしぼりを手渡してくれる。

「ホント、そんなとこ昔のまんまね、変わってないわぁ」
 そう呟いてきた。

 ああ…
 私はそんな彼女の様子を見て、心が震えてしまう。

 そうだ、そうだよ…
 このお姉さん的な感じが好きだったんだ…

「もお、こぼしてぇ」
 と、呟きながらナプキンでテーブルを拭いてくる。

 でも、あの頃は…

 こんなお姉さん的な感じにイラついた時もあったんだった…




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