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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 36 笑い話し

 本田きよみ先輩…

 ああ、確かあの当時は…

『きよっぺ』って呼んでいたなぁ…

 そして最後に会った、いや、見かけたのは…

 そうだ、大学二年生の時のスキー場のレストランで偶然出会ったんだったか…

 本当に20年振りの再会だ…

 確かに運命の再会……いや、そんな大袈裟な…

 お盆休みに田舎に帰省して、旧友、幼馴染み、元カノに偶然再会するなんて、どこにでもよくある話しじゃないか…

「運命の再会なんて、まさやん大袈裟だよ」
 そう逡巡しながら呟いた。

「そうかなぁ、だって20年振りなんだろう…
 大人になって、そしてお互いがバツイチで…
 なんかドラマみたくないかぁ…」
 まさやんはニヤニヤしながらそう言ってくる。

「またぁ、すぐにそうやって茶化す、本当に昔からまさやんは変わんねぇなぁ」
「そこだよ、そう、実は、歳取ったってみんな外見は老けてきても中身はそんなに変わらないのさ」
「あ、まあ、確かにそうだとは思うけど…」
「そこで、昔の元カノ、元カレとの20年振りの突然の再会なんだ…」
 まさやんは身振り手振りで面白そうに話してくる。

「やっぱり、運命の再会だろう」
「いやいやいや、やっぱり大袈裟だよ」
「そうかなぁ、俺はなんか、たまたま偶然な気がしないけどなぁ…」
「え、なんで?」
「だってきよみ先輩は俺とコッペが幼馴染みなことは昔から知っている、そして帰省する度にコッペがうちの店に来ることは昔きよみ先輩に話した事がある…」
「いや、でも今夜は三年振りなんだぜ」
「あ……そうか…」
「はいはい、ドラマとしては面白い設定だけどね」 
 と、私はここでこの話しを終わらせた。
 だけど、内心、少しはドキドキとしていたのだ。

 なぜなら、きよみ先輩、いや、きよっぺとの再会はずっと心で思っていた願い、想いであったから…

 彼女との過去の甘い付き合いに、少しだけ
 悔い…
 後悔…
 が、あったのだ。

 いや、それは大人になってから、そう多分、30歳位になってからそう思う様になったことなのである。

 大人になって様々な経験をしたから、心に不意に想い浮かび、そして悔い、後悔の想いが湧いてきたのだ…

 ただ、それはそんな大袈裟なモノではなく、そう、青春の甘く切ない、そして甘酸っぱい匂いのする忘れモノといえるのである…




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