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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 33 青春の思い出 ③

 それは、キス、であった。
 そしてそれが私のファーストキスなのである。

「あ、う…」
 余りの衝撃で言葉が出ない。
 そしてきよみ先輩はそんな呆然としている私の肩を抱き寄せ、更にキスをしてきた。

「う……」
 今度はハッキリとその唇の感触が分かった、そして唇を割って熱い、何かヌメヌメとした存在が口の中に入ってきたのだ。
 それはきよみ先輩の舌先であった。

 舌先が入ってきて自分の舌に絡み付いてくる…
 これはまだ無知な子供の私にとっては衝撃的な体験であった。

 うわっ、な、なんだぁ…

 ヌメヌメとした熱い舌先の感触に、そして流れ込んでくる彼女の唾液の生々しい感覚にドキドキし、慌ててしまう。
 キスの快感より、あまりにも生々しい舌先と唾液の感触にビビッてしまっていた。

「ふうぅ…」
 すると唇を離し吐息を漏らしてくる。

「…キス…初めて?…」
「………」
 そして私はキョトンとして、首を縦に振る。

「そうよね、初めてに決まってるわよね…」
 そう微笑みながら囁いてきた。

「キミは、わたしを好き?」
 と、唐突に訊いてきたのだが、当時の私は頭がパニックに近い感じになっていたし、あまりの突然の衝撃に無意識に再び首を縦に振る。

「じゃあ、今からわたしの彼氏ね、そして付き合うのよ」
 きよみ先輩はその大きなクリッとした美しい目で私を見つめ、そう言ったのだ。

 彼氏?…

 付き合う?…

 ドキドキし過ぎていてその夜の、その後の事は覚えていなかった。

 ただ記憶に残っている事は

 天の川の美しい星々の煌めき…

 そして、そんな衝撃的なファーストキス…だけである。


 だが…

 私ときよみ先輩は彼女の言葉通りに、そして中学一年生の男の子と中学三年生の女の子という、ある意味、その年代では異例な、そして禁断的な響きのあるカップルとなって付き合いを始めていくのである…

 だけど、まだ、本当に子供そのものであった私は、ただ当時は、きよみ先輩の導きのままに付き合い、共に過ごしていただけといえたのであるのだが、それは、また、青春の、初めての甘い想い、思い出としては鮮烈であり、強烈な記憶といえるのである。

 そしてその後すぐに夏休みを迎えて、色々な出来事、つまり、初めての、沢山の体験をすることとなるのであった…






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