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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 31 青春の思い出 ①

 本田きよみ…
 彼女は私の二つ年上であった。

 そう、あれは中学校に入学して三ヶ月経た七月上旬の頃であった…

 私は中学入学と同時に野球部に入部し、そして、当時としては超異例の一年生でレギュラーになってしまったのである。
 通常、入部直後から早くても夏休みの三年生の引退までは一年生は球拾いや、声出し、グランド整備しかさせてはもらえないのであるが、私は小学校六年生時代に短距離100M走で当時の県の新記録を出し、全国大会3位という実績があったのである。
 そして地元の学童野球チームではキャプテンとして活躍し、やはり全国ベスト8という実績があった。
 だから当時の野球部の監督先生が異例中の異例として私を入部直後から外野手のレギュラーにしたのである。
 そしてまた、我が中学野球部は伝統ある強い野球部でもあったから、そのレギュラーの噂はアッという間に全校中に拡がり、中学校内の中では私の名前を知らない生徒はいない位になっていたのだ。

 そんな存在の中一の七月上旬、自由参加の部活動とは違う、全生徒強制のクラブ活動というモノがあり、私は興味が全く無いのだが、ジャンケンで負けてしまい泣く泣く
『天体観測クラブ』に入ったのである。
 そしてそのクラブ活動の一つの行事として、地元の高台の城趾公園で行われる
『七夕、天の川観測会』に参加したのだ。
 そして、その観測に青春の象徴である彼女、中学三年生の『本田きよみ先輩』が参加していたのである。
 だが、正確には彼女は天体観測クラブではなかったのだ、家が近所であるという事と、当時、生徒会副会長であったという事もあり、顧問の先生の特別の許可を貰って参加していた。

 天体観測というモノには全く興味が無かったのだが、正々堂々と夜に出掛けられるという当時の中一の私にとっては心が高鳴る活動に、確かワクワクしながら参加をしたのだ。
 そして初めて意識をして見上げる夜空の星々の美しさにも感動を覚え、心が昂ぶっていた思いの記憶があった。

「キミが大原くん?」
 夜空の星々を眺めていたら、突然、隣からそう声を掛けられたのだ。

「え、あ、うん…」
 そしてその声に隣を見る。
 
 そこには、目のクリッとした可愛い女性が居たのだ…




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