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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7 本部長大原浩一

29 実家の想い
下車駅から実家まではタクシーで5分と掛からない距離であった。
「釣りはいいよ」
あまりの近さに申し訳なく、運転手にそう告げてタクシーを降り、そして三年振りの実家を見上げる。
実は、この実家は父親の死後三年に母親と同居をするからと弟が二世帯住宅を建てたのだ。
父親は生前、食肉卸売業と精肉店を営んでおり、それを弟が継いでいた。
そしてこの今の実家には都内でサラリーマンとなった私はもちろん住んだ事がなく、殆ど帰省もしなかった事もあり、生まれ育った家でもない訳であるから、実家というよりは完全に弟の家という感覚であるのだ。
ましてや三年振りの帰省なのだ、完全なるアウェイな、他人の家という感覚に近いのであった。
ピンポーン…
チャイムを鳴らすと弟夫婦が出迎えてくれた。
「兄貴…」
「お義兄さん、お久しぶりです」
弟と、その嫁さんである美千代さんが、そう声を掛て迎えてくれた。
「しばらくです美千代さん、すっかりお袋を任せっきりですいません」
「そんな、お義母さんは本当に昨日まで元気で、何でも自分でなさっていたから、わたしなんて何もしてませんから」
「ま、さあ兄貴、上がって…」
と、促され、二世帯住宅共有のリビングに案内された。
二世帯住宅と云っても外観はやや大き目な家という感じであり、キッチンと風呂が別々にあるから二世帯住宅って呼ぶ様な家であるのだ。
そしてリビングに座り、今日の母親の倒れて入院するまでの一日の経過を訊いた。
どうやら本当に突然の症状であったらしいのだが、しかし例え以前から少し自覚あったにせよ、母親の性格上、我慢して何も周りには伝えないし、言わなかったであろう。
そしてこの結果であるのだ…
と、そんな話しをして、少し責任を感じている様子の弟の嫁さんに話しをしたのである。
今回のことは誰にも責任などは無い…
ましてやこうして同居してもらっているのだ、逆に感謝しかないのだ。
「お義兄さんお食事は?」
「あ、いや、ちょっと宮本の店に行ってきますから…」
宮本の店…
それは小学校時代からの幼馴染みが経営している居酒屋である。
そして私は、帰省する度に必ずといっていいほどその居酒屋には通っていた…
下車駅から実家まではタクシーで5分と掛からない距離であった。
「釣りはいいよ」
あまりの近さに申し訳なく、運転手にそう告げてタクシーを降り、そして三年振りの実家を見上げる。
実は、この実家は父親の死後三年に母親と同居をするからと弟が二世帯住宅を建てたのだ。
父親は生前、食肉卸売業と精肉店を営んでおり、それを弟が継いでいた。
そしてこの今の実家には都内でサラリーマンとなった私はもちろん住んだ事がなく、殆ど帰省もしなかった事もあり、生まれ育った家でもない訳であるから、実家というよりは完全に弟の家という感覚であるのだ。
ましてや三年振りの帰省なのだ、完全なるアウェイな、他人の家という感覚に近いのであった。
ピンポーン…
チャイムを鳴らすと弟夫婦が出迎えてくれた。
「兄貴…」
「お義兄さん、お久しぶりです」
弟と、その嫁さんである美千代さんが、そう声を掛て迎えてくれた。
「しばらくです美千代さん、すっかりお袋を任せっきりですいません」
「そんな、お義母さんは本当に昨日まで元気で、何でも自分でなさっていたから、わたしなんて何もしてませんから」
「ま、さあ兄貴、上がって…」
と、促され、二世帯住宅共有のリビングに案内された。
二世帯住宅と云っても外観はやや大き目な家という感じであり、キッチンと風呂が別々にあるから二世帯住宅って呼ぶ様な家であるのだ。
そしてリビングに座り、今日の母親の倒れて入院するまでの一日の経過を訊いた。
どうやら本当に突然の症状であったらしいのだが、しかし例え以前から少し自覚あったにせよ、母親の性格上、我慢して何も周りには伝えないし、言わなかったであろう。
そしてこの結果であるのだ…
と、そんな話しをして、少し責任を感じている様子の弟の嫁さんに話しをしたのである。
今回のことは誰にも責任などは無い…
ましてやこうして同居してもらっているのだ、逆に感謝しかないのだ。
「お義兄さんお食事は?」
「あ、いや、ちょっと宮本の店に行ってきますから…」
宮本の店…
それは小学校時代からの幼馴染みが経営している居酒屋である。
そして私は、帰省する度に必ずといっていいほどその居酒屋には通っていた…

