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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7 本部長大原浩一

26 ゆかりとの電話(11)
『ええっそれって大変じゃないですかっ』
「ああうん、ま、そうなんだが、決して危篤とかの重症ではないから」
私がそう言うと…
『ダメですよっ急いで帰らないとっ』
と、そう一気に強く言ってきたのである。
「あ、いや、そうだよな…」
私はそんなゆかりの言葉の勢いに押されてしまう。
『ハイヤーなんだから軽井沢から直行しちゃえば良かったのにっ』
「あっ…そうか」
確かにそうなのだ、今は高速道路の整備も進み、軽井沢からなら東京に帰るのも、実家に帰るのも、ほぼ時間は変わらないのである。
「ま、色々と準備もあるしさ、新幹線なら30分だから」
『そうなんですか…』
「うん、危篤じゃないし、意識もちゃんとあるからさ」
『ならいいですけど…』
「うん、心配してくれてありがとう」
『いえそんな、当たり前ですから…』
と、私はそのゆかりの当たり前ですから…という言葉に心が少し揺れた、そして反面、一気に罪悪感も湧いてきたのだ。
また、律子とのさっきまでの会話のやり取りが蘇ってくる。
『あとどれ位なんですか?』
「あ、ええと…3、40分位かなぁ」
『そうなんですか、分かりました…
気をつけて帰ってくださいね…』
そしてゆかりは落ち着いたのだろう、そしてまたしばらく逢えない現実を理解したのか、急に声のトーンが下がったのである。
『い、いつまで…ですか?』
その言葉には
わたしはいつまで待ってればいいの?…
と、いう心の想いが伝わってきた。
「うん…と、出来れば15日の夜には戻るつもりだ…」
『はぁ、あと5日かぁ…』
ゆかりの心の落胆の重さを感じてしまう。
「すまないな、父親の10回忌の法事があるからさ…」
『大丈夫です、待ってますね、どうせ、明日も当番で会社に出勤してますから』
と、多分、務めて明るく言ってきた。
コールセンター部は部署によっては365日24時間無休の部署もある、その為にこうした大型連休では緊急事態に備えて、当番を決めて社員も出勤するのである。
本来、部長という役職にはそんな当番には係わらないのであるが、社員の負担を少しでも減らそうという彼女なりの気遣いがあるのだ。
『じゃあ分かりました気を付けて、お大事に…』
電話を切ると、再び一気にゆかりに対して強い罪悪感が湧いてきたのである…
『ええっそれって大変じゃないですかっ』
「ああうん、ま、そうなんだが、決して危篤とかの重症ではないから」
私がそう言うと…
『ダメですよっ急いで帰らないとっ』
と、そう一気に強く言ってきたのである。
「あ、いや、そうだよな…」
私はそんなゆかりの言葉の勢いに押されてしまう。
『ハイヤーなんだから軽井沢から直行しちゃえば良かったのにっ』
「あっ…そうか」
確かにそうなのだ、今は高速道路の整備も進み、軽井沢からなら東京に帰るのも、実家に帰るのも、ほぼ時間は変わらないのである。
「ま、色々と準備もあるしさ、新幹線なら30分だから」
『そうなんですか…』
「うん、危篤じゃないし、意識もちゃんとあるからさ」
『ならいいですけど…』
「うん、心配してくれてありがとう」
『いえそんな、当たり前ですから…』
と、私はそのゆかりの当たり前ですから…という言葉に心が少し揺れた、そして反面、一気に罪悪感も湧いてきたのだ。
また、律子とのさっきまでの会話のやり取りが蘇ってくる。
『あとどれ位なんですか?』
「あ、ええと…3、40分位かなぁ」
『そうなんですか、分かりました…
気をつけて帰ってくださいね…』
そしてゆかりは落ち着いたのだろう、そしてまたしばらく逢えない現実を理解したのか、急に声のトーンが下がったのである。
『い、いつまで…ですか?』
その言葉には
わたしはいつまで待ってればいいの?…
と、いう心の想いが伝わってきた。
「うん…と、出来れば15日の夜には戻るつもりだ…」
『はぁ、あと5日かぁ…』
ゆかりの心の落胆の重さを感じてしまう。
「すまないな、父親の10回忌の法事があるからさ…」
『大丈夫です、待ってますね、どうせ、明日も当番で会社に出勤してますから』
と、多分、務めて明るく言ってきた。
コールセンター部は部署によっては365日24時間無休の部署もある、その為にこうした大型連休では緊急事態に備えて、当番を決めて社員も出勤するのである。
本来、部長という役職にはそんな当番には係わらないのであるが、社員の負担を少しでも減らそうという彼女なりの気遣いがあるのだ。
『じゃあ分かりました気を付けて、お大事に…』
電話を切ると、再び一気にゆかりに対して強い罪悪感が湧いてきたのである…

