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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 71 変態的な嗜好

「あっ…」

 ドキッ、ドキドキ…
 ズキズキズキズキ…

 おそらく、この時の和哉には下心的な他意はなかったという事は判ってはいた。
 一瞬、熱いコーヒーをわたしの脚に溢してしまったかもしれない、と、慌てたのであろう…
 わたし自身も、一瞬溢れてしまうのではないかと慌てた位であったから。

 だが、わたしは、やはり、ストッキングラブという、一種の変態的な嗜好の女なのであろうか…
 
 そんな他意の無い、不意な和哉の脚への、ストッキング脚への手の平の感触でさえ感じ始め、昂ぶらせ始めてきてしまっていたのである。

 一瞬にして
 ドキドキと胸を高鳴らせ…
 ズキズキと疼きを昂ぶらせ…                
 そして少し小さな興奮を感じてきてしまっていたのである。

 自分で和哉に対して
『まさか、今更、わたしと……なんて思ってないわよね』
 なんてきつく云い、そして和哉の心に楔を打ったくせに…
 こんな不意なワンタッチ的な感触に心を揺らせてしまっているのだ。
 そして疼きを覚えてきているのである。

 これじゃ、とんだ変態女じゃないの…

 いくら自律神経がまだまだ落ち着かない不安定な状態だとはいえ、この位の流れの不意な、そう事故よ、他意がないのが判っているのだから事故なのよ…

 それなのに、このわたしの心の状態って…

 ただの変態女じゃないのか…

 わたしは一瞬にして更にこんな自虐の想いを湧き起こし、情けない気持ちのままに、不意に和哉の目を見たのである。

 あっ…

 だが、和哉の目もかなりの昂ぶりを輝かせていたのだ。
 そして触れたままの手の平から和哉の熱い想いと、昂ぶりと興奮が伝わってきたのである。

 ああ、ヤバい、和哉が興奮してきている…

 わたしなんかの比ではないわ…

 ドキドキドキドキドキドキ…

 ウズウズウズウズウズウズ…

 そして目の輝きが、あのレストランで一瞬見せたオスの、男の欲情の輝きに変わっていたのだ。

 それはそうなのである、この和哉の状態は最もであり、自然と云えるのであるのだ、なぜならば、和哉は、彼は、おそらくわたしのこのストッキングラブという他の彼女達とは味わえられない変態的な嗜好を五年間も追い続けてきたはずなのだから…

 やはり、わたしが悪いのだ…

 迂闊だったのである…


 
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