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Memory of Night 2
第50章 episode of 0

「そういえば、もう湯沸し器使えるよ。温かいお湯が出る」

 畳に座って一発めに、桃華から驚きの報告があった。

「え、やっとガス使えるようになったんですか!?」
「うん、昨日。ガス屋がきた」
「……もしかして、何か壊れてたんですか? それで今までガス無しで生活してたとか?」
「いや、別に。要らないかなって思ってたから引いてなかったけど、さすがに真冬はシャワーが水だとしんどいから、ガス契約しただけ」
「『真冬』……は?」

 秋広は呆然としてしまう。真冬じゃなくたって、シャワーが水しか出ないのでは辛いだろう。というか、季節など関係なくシャワーは温水だ、普通は。
 どうして、そんな生活をしているのだろう。ガスを引かないで、こんなボロボロのアパートにいる理由も結局聞いていない。いろいろな事情があるんだからと忠告してくれた相澤の言葉も頭の隅に残っていた。

「コーヒーゼリーどう?」

 桃華も同じものを口に運びながら、尋ねてくる。

「甘くなかったらそれかけて。あたしにはこれでも甘いくらいだけど」
「とても、美味しいです!」

 秋広は笑顔で言う。そういえば、せっかく手作りのデザートを用意してくれたのに肝心なことを伝えていなかった。
 
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