この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 2
第50章 episode of 0
「だーっはっはっは」
ーー翌日の昼過ぎ。携帯に相澤から連絡があった。
昨日の昼間桃華にいろいろ聞かれたらしい。誤解はなるべく解いたつもりだが、その後の様子が気になりかけてきたようだった。
相澤は早速昨日のことに触れようとし、その瞬間我慢できないという感じで大爆笑した。
「……そんなに笑わなくても」
「いや……っ、だって、財布届けようとしただけなのに、盗んだって誤解されて返り討ちに遭うなんて面白すぎるだろ……っ」
「…………」
「怒るなって。笑ったのは悪かった。でも、ちゃんと誤解解いてやったろ? 香椎さんに」
秋広はパソコンのディスプレイを眺めていた。相澤に対していつもより相づちが少ないが、それはパソコンを開いているからだ。
だが相澤は秋広が怒ったと思ったらしく、どうにか笑うのを堪えようとしてくれていた。
そんな相澤の心境など知らぬ存ぜぬな様子で、秋広はまったく別のことを考えていた。
「ねえーー普通風呂ってガスで沸かすよね? プロパン、てプロパンガスのことで合ってる?」
「ん? そりゃそうだろ」
「…………」
また、秋広は沈黙する。
「ガスってなんの話だ?」
秋広はパソコンの画面を眺めていた。調べていたのは、桃華が住んでいるアパートの物件情報だ。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


