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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

女子が集まって談笑するというイメージよりか、それは(悪いけど)幾分と下品な雰囲気だ。階下まで響くそれら笑い声は、ドタドタと足を踏み鳴らしながらも容赦なく騒がしい――けれども。
「ま……男の人の時よりは、まだましかな……」
天井の斜め先を見据えて、不意に呟く。
以前、高校生であるのかも不明なガラの悪い男を連れて来られた時は、正直辟易とした。ジロリと僕を一瞥し舌打ちしただけで、別に実害はなかったけれど……。
なんていうのか、一晩中――僕は妙な男女の声に、悩まされる羽目になってしまったのだ。
「……」
そんな経験があるから「まだまし」だと自信に言い聞かせもする。さっき玄関に脱ぎ散らかされた靴を見ると、どうやら遊びに来ている友達連中は三人らしく。そんな彼女たちが、部屋で何をしているのかは知らない。ともかく一切、関わらないようにするのが得策だ。
そう考え、早々にベッドに横になった僕。まだ眠れそうな気配はなかったけど、読みかけたマンガを枕元に置いて目を瞑った。そうして、僕は――
…………あれ?
二階が妙に鎮まっていることに、ふと気がついている。

