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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

「ケーキ、を……」


「……」


 睨まれて、怯み――心は折れる。僕は迂闊に声をかけていたことを、後悔してる。

 そんな僕を前に、彼女は心底「面倒だ」という顔。僕を睨んだまま、その手をケーキの皿に伸ばした。

 用いられた二本の指は明らかに意図的に、クリームをこねくりイチゴを――汚す。そうしてから摘まみ取ったそれを、彼女は徐に僕の口に押しつけていた。


「なっ……?」


 咄嗟にかわせずに、半開きだった口に中にイチゴの酸味とクリームの甘さが広がる。同時に差し込まれていた尖ったネールの指先の異物感に驚き――僕は慌てて、それらを吐き出そうとしていた。

 しかし――


「いいから――食べなよ」


 その刺々しい言葉と蔑むような眼差しが、僕を厳しく威圧する中――。

 結果、その時の僕は――


「あ……うっ……」


 そのまま彼女の指に口の中を甚振られるようにしながら――とても長い時間を要し、何とかイチゴを飲み下してゆく。


 そして――もう二度と、彼女に話しかけることは嫌だと、そう思っているのだった。

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