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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

母さんは再婚してからも仕事を続けていたから、僕が学校から帰ると家で一人ということが多かった。
すると多くのケースで、一人でいる家に戻って来ていたのは――僕より四つ年上という、それだけの理由で義姉(あね)とされた、彼女である。
それはとても、派手な外見(みため)。象徴するかのような金髪はともかくとしても、全体的にルーズに着こなされた制服のシャツは胸元が開かれ、スカートは殊のほか短い。露出された長い手足は小麦色をしていて、先端の指先は上下共に煌びやかで禍々しくあるネールが。瞬きをすれば「バチッ」と音が聴こえそうなまつ毛の瞳は、カラーコンタクトが本来の色を覆うと、その心根までも包み隠しているかのようだった。
その様な有様に、僕は常にびくびくと畏敬の念を覚え――すると、その度に彼女は――
「文句でも――あるわけ?」
不快そうに、その顔をしかめている。

