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第19章 交差する縁

そうして気の向く、赴くままに見て回る２人。少しして搭乗手続きも済ませ、ラウンジに向かうとパラパラとしか人がいない。黒野がソファに座ると愛良は窓の外を見つめていた。気になった黒野は後ろから包み込むように手すりに凭れた。

「何か気になることがありますか？」
「何かすごいなぁって…」
「まぁ帰国ラッシュというのでしょう。このラウンジも時期に人が集まりますよ。」
「帰国…ラッシュ？」
「えぇ、冬休みに外国に行かれた方々が日本に戻って来るんです。」
「皆一緒なんだね」
「タイミングもそうですね。」

そう話していると愛良は思いだしたかのように下から見上げた。