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☆番外編あらかると☆
第2章 恋の速さはallegro non troppo
沢山の人で埋め尽くされたライヴホールに、複雑で速くて、きらびやかなピアノの音色が響く。
ステージの中央のグランドピアノの前に立ち弾いている彼は、小さな子供が大好きな玩具を前に目を輝かすかの様に身体中を楽しさで溢れさせていた。
彼のピアノに合わせ、ドラム、ベース、ギターが重なりアップテンポのやんちゃさを感じさせる可愛い曲を奏で、オーディエンスを沸かせる。
ピアノを弾いていた彼は、天井を見上げ、
「あっ」
と小さく叫び、舌を出し、指は休まないままメンバーを見て肩を竦める。
その悪戯な瞳がモニターにアップになると、黄色い歓声があちこちから起こった。
舞台袖で見ていた美名も、彼のそんな表情に見とれていたが、後ろに居たマネージャーの綾波が頭を抱えながら呟いた。
「全く……
ノってるのは良いが、前奏を二回繰り返すかよ……」

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