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スローバラードを君に
第5章 恋人の逢瀬
「だって……ユ、ユミが」
「ユミ?」
「……」
美名が声を詰まらせる。
「どうしたの?」
静かな声で問いかけると、涙を溜めた目で振り返り、俺はドキリとする。
「……今日ね、ジャム店長に……もう来なくていいって言われて」
「え?」
唇を噛んで俯く美名をこちらに向かせると、俺は手を握った。
「ジャム店長は、何故そんな事を?」
「分からない……
聞いても困った顔で謝るだけで……」
ユミが言うには人手が足りているという話だったが、美名は真面目に仕事をしていた筈だ。
大体、店長が美名に同情して雇ったのではないか。
項垂れる美名を見ていたら、怒りが込み上げてきた。

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