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スローバラードを君に
第8章 junk vs シュガースパイス②
「ジャムおじさんのピザ冷めてても美味しいよね……ライヴのない日には食べ物やさんやればいいのになあ……ねえ、そう思わない?」
青と白のストライプ柄のフリルの沢山付いたエプロンを着て、狭いキッチンで器用に料理を作る美名の後ろ姿に見惚れていた俺は、彼女に話し掛けられていた事に気付かず、ギターを持ったままぼうっとしていた。
美名は振り返り、鍋を掻き回していたお玉を置くと、ウサギのような仕草でベッドへ上がって来た。彼女の身体は跳ね、弾みで落ちそうになる。俺は慌ててギターを脇に退けて彼女の腰を抱き寄せた。
「いきなり危ないな……」
「しょう君が返事してくれないんだもん」
「だからって……」
「それに、さっきの態度も酷かったし」
美名は、俺の胸に凭れかかり、拗ねた様に唇を尖らせる。
「ああ、ごめんごめん……」
「なんか心が籠ってない」
「ええ?」
美名は俺の頬をギュッとつねると、腕からすり抜けてベッドから降りた。

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