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スローバラードを君に
第7章 junk vs シュガースパイス
店長は、複雑な笑みを浮かべる。
「その……それにしても、ヒロヤ君の出した条件……だけど……」
ヒロヤはニヤリと笑う。
「……美名ちゃんの事ですか?
……彼女にも悪い話じゃないでしょう?
一ヶ月、ベンジャミンでのライヴでシュガースパイスのサポートにギターとコーラスで入る。
……彼女も歌手を目指して東京に出てきたなら、断る理由はない筈です」
淀みないヒロヤの言葉に、ジャムは首を振る。
「まあね……
そりゃそうだけど……
翔大君がなんて言うかな……」
「翔大の気持ちなど関係ありませんよ。
……音楽を志す物なら、ステージの方を選ぶ筈です……」
ヒロヤは珈琲を喉に流し込み、先程見たステージ に横たわる二人の姿を思い浮かべる。
(俺は……今まで、望むもの、欲しいものを手にいれてきた……
デビューはしたが、寄ってくる女は皆つまらない女ばかり……)
デビューの前のライヴの打ち上げで、ピシャリと自分を拒否した美名の凛とした瞳を思うと、心が震える。
(俺は、美名が欲しい……
翔大から奪って、俺の物にしてみせる……)

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