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スローバラードを君に
第6章 蜜月
美名の長い髪が楡(にれ)の木の幹から見えると、木を抱き締める様に美名をそっと腕で包み込む。
「……捕まえた……美名」
廻した腕に、しなやかな美名の手が絡み付いて溜め息が触れた。
「しょう君……私」
葉の音に綺麗な美名の声が重なる。
「何……?」
美名は、答えるのにひと呼吸置いた。
「怖い……」
「え……?」
思わず、美名の正面に回り込み頬を両手で挟み見つめた。
美名の長い睫毛が震えている様に見えるのは、風に揺れているからだろうか。