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eyes to me~ 私を見て
第39章 騎士の仕掛けた罠

「そ……そうですけど……マネージャーの方に許可を貰わないと、と思って……だって……」
「……?何だ」
聖恵は口ごもる。
「プリキーの……皆さんは……私達の事……お、お嫌いなんじゃ?……大室さんの……事務所だから……」
「ああ……確かに志村さんと大室さんはライバルだよな……
silent wolfは確かに目の上のタンコブでウザいな」
聖恵が青くなると、綾波はクスクス笑う。
「だが……それと個人的な付き合いは別だろう?
美名もバンド内は男ばかりだし……同性の話し相手が欲しいだろうよ」
「ほ、本当にいいんですか!」
「だから、美名に聞いてみろよ」
綾波は苦笑する。
「聖恵ちゃ――ん!美名ちゃんと一緒のカットを撮るよ――!」
「あ、はい!……綾波さん!ありがとうございます!」
「はいはい」
綾波にペコリと頭を下げて撮影スペースに向かう聖恵は、美名に輝く笑顔を向けながら胸の奥底では暗い思いが渦巻いていた。
(――翔大さん……美名さんを……そんなに好きなの?
私だって……貴方を本当に……好きなのに……
正直辛い……辛くて堪らないよ……)

