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eyes to me~ 私を見て
第52章 サプライズパーティー

入院生活の間に伸びた彼の前髪が風に揺れる。
鋭くて切れてしまいそうな、だが甘さの潜む瞳がのぞく度、美名の胸が高鳴った。
「だっだだだって!指輪なんてまるで……」
ドキドキで口が回らなくなってしまう。
「まるで……何だ」
薄笑いの口元がとてつもなく意地悪に見える。
「うう……だからっ」
長い指が頬を軽く摘まんで来た。
「何だ……男に指輪を贈られるのが初めてでもないだろ?」
美名が首を振ると、綾波の目が大きく開かれた。
「……マジか?」
「な……ないよ……そんなの……きゃあっ」
綾波はいきなり美名を抱えてくるりと回った。
その顔は見た事が無い位の笑顔で、僅かに頬が紅く染まっている。

