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第52章 サプライズパーティー

｢阿呆、指差すんじゃない！｣
　
　綾波に手を掴まれて引き寄せられ、唇を塞がれた。

｢――！｣

　まだ日が高く沢山の人が行き来する街角での綾波の振る舞いに、美名は驚愕して胸を叩く。
　綾波はびくともしない。
　口付けられながら視線を周囲にさ迷わせていたが、舌が割り込んで来るとそんな余裕も無くなり、しまいには抵抗するのを忘れて背中に腕を回す。
　綾波の腕の力が段々と緩み、美名の髪を優しく撫でた。
　どの位そうして居ただろうか。
　唇が離れ、熱く見つめる瞳を目の前にして、恥ずかしさが美名を襲う。

｢お前が言う事を聞かないから悪い……｣

　額を付け合ったまま、囁かれ、頬が燃える。